金正恩の戦略
南北朝鮮の首脳会談で、金正恩はどう振る舞えば、韓国大統領や生中継を目にする韓国内外の人々が感激するか、即興で判断できることを示してみせた。
記念撮影の際、出演者らが金正恩の前でしゃがむのを躊躇していると、「私が先にしゃがもうか」と冗談を口にしたことで皆がスムーズに写真に納まることができたという。報道では、「小さなことにも気を使い、自然な会話やユーモアをリードした」と伝えられた。
実は、国際社会が金正恩を過小評価してきただけなのかも知れない。南の政府機関傘下の研究所が以前、金正恩の留学先のスイスなどから会話データを収集し、その性格を解析したことがあるらしい。「自尊心が強く、負けるのを嫌う一方、知能指数は悪くない」との結論だった。とすれば、「外交は利益を得るためにやるものであり、いまは微笑み外交で得るものがあると判断したにすぎない」と理解するのが正しいのかもしれない?
戦略的に「非核化」の文言を巧みに操りながら、核保有国の立場を取り下げることなく、自国ペースで対話を進めようとする“独裁者”との交渉は、今後、頭脳戦になりそうな予感がする....。
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