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秋彼岸


 秋彼岸とは、雑節の一つで、秋分の日を中日とし、前後各3日を合わせた各7日間をいいます。最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」と呼びます。本日の中日には先祖に感謝し、残る6日は、悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目を1日に1つずつ修める日とされているらしい。

 彼岸のころに咲く彼岸花(ひがんばな)は、どこか妖しい雰囲気が漂います。なかには「彼岸花は怖い」「何だか不気味」という人もいます。彼岸に咲き、土葬をモグラや野ネズミなどから守る意味もあって墓地などによく植えられているため、「死人花(しびとばな)」「地獄花(じごくばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」のようなちょっと怖い呼び名もついています。

 もう一つの彼岸花の別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」は、サンスクリット語で天界に咲く花という意味だそうです。9月20日の彼岸の入りの日、地方紙の俳句欄に投稿した小生の句がめでたく「秀作」を得ました。季語は「曼珠沙華」であります。

 作者側からすると、医師は職業がら、ある意味で「生と死の狭間」に対峙している感があります。また、墓地に咲く曼珠沙華は、彼岸の中日に先祖に感謝して墓参りをする「生」あるものとお墓の先祖とを取り持って様にも見えます。句会に参加すると俳句の解釈が色々ある場合は、読み手が一番いいと思うように評価すればいいと言われています。その点で、今回の選者宮地英子さんの評価には謝意を表したいところです。

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